映画のようなSFサスペンス「Observation(オブザーベーション)」をプレイしました(PS4版)。
クリアまで遊びましたので、感想を書いておきたいと思います。
できるだけネタバレなしで書いています。
買おうかどうしようか迷っている方の参考になれば幸いです。
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■ Observationとは?
宇宙ステーションを舞台に、何が起きたのかを知るSFアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは人工知能のSAMになり、ステーション内にある様々な機械を操作していきます。
それは、カメラであったり、ハッチであったり、あるいは特殊な機械であったり。
一般的にこういったゲームでは、プレイヤーは乗組員を操作することが多いのですが、本作では人工知能を通して状況を把握し、問題を解決していきます。
ちなみに、「Observation(オブザーベーション)」とは「観察」という意味です。
■ ハードSF
「ハード(コア)SF」という映画ジャンルをご存知でしょうか?
ハードSFは、SFから派生したジャンルの一つで、「現在の科学技術によって構築されたSF」のことです。
平たく言うと、突拍子のない科学技術が登場しない、宇宙空間をメインとした硬派で重い映画を指します。
このゲームね、めっちゃスゴイんですよ。
この「ハードSF」をゲームにしてしまった、初のゲームかもしれません。
映画でしか味わえなかった「ハードSF」、あの息の詰まるような、重苦しい空気感が体験できてしまいます。
ハードSFの映画というと、代表的なものに「2001年宇宙の旅」「ソラリス」
「月に囚われた男」
なんかがありますが、ああいう映画が好きな人には、是非とも遊んでみて欲しいゲームです。
■ 傍観者たる人工知能
プレイヤーは人工知能の視点で、事件を観察していきます。
これがね、ゾックゾクするんですよ。
無機質で定型的な動作をする人工知能、
抑揚のない音声が船内にこだまする。
何かが起きても、カメラ越しに見ているだけ。
クルーに命令を受けたりして、その行動を取ったりもするのですが、カメラなどから見る船内は、あくまでも傍観者として見ているかのようです。
この感じ、たまんないです。
■ 没入感を高める操作
本作は人工知能を操作するということで、機械的・コンピューター的な操作が求められます。
但しこれが、デジタルではなく、「デジタルな操作をアナログっぽく」します。
「実行」といったボタンを押したら、自動的に全部なされるわけではないのですね。
例えば「声紋認証」をする時に、表示された声紋をなぞるように、左スティックを倒していって認証するんです。
この操作感は斬新で、私は好きでした。
人工知能の内部で行われている動作をする、とか、自分が人工知能である感情移入がしやすく、没入感がより高まる操作性だと思いました。
昔、ボタン一つで複雑なアクションができるQTEが流行ったことがありました。
QTEはゲーマーの中では忌み嫌うものとして認識されていたわけですが、それを変革したゲームソフトがあります。
「ヘビーレイン」です。
ヘビーレインでは、ドアノブを開くのに、スティックをくるりと回したり、ひげを剃るのに、コントローラーを振ったりといった操作が必要で、この一見無駄に思える操作がプレイヤーの感情移入度・没入感を高めてくれていました。
「Observation」は、あの感覚に非常によく似ていると思いました。
■ ノーヒント
ゲーム中、次に何をしたらいいかが、かなり分かりにくいと思いました。
その原因となるのは2つあります。
・カメラ視点が多く、調べられるものが分かりづらい
・宇宙船の機械が分かりづらい
本作は、ほとんどが室内に固定されたカメラを切り替えて進めます(自由移動もあります)。
部屋内にある資料やラップトップ(パソコン)にインタラクトし(調べ)、先へ進むタイプのゲームなのですが、船内ということもあって、どこを調べられるかが非常に分かりづらいのです。
一応、クルーに指示を仰いだりもできるのですが、通り一遍なことしか言わないため、迷う場所ではトコトン迷います。
また、宇宙ステーションが舞台ということもあり、宇宙船的な機械がすごくたくさん出てきます。
ハッチ(開閉口)ぐらいは分かるんですよね。
でも、ベントとかクランプとか、モジュールとか、
「それは・・場所?モノ?操作方法?」
とまぁ、悩まさせてくれました。
一応ノーヒントでもクリアすることはできましたが、プレイ中は「MYST」を思い出しましたよ。
※MYSTほど難しくはありません
■ 総評
雰囲気や空気感は、抜群に素晴らしいゲームだと思います。
ハードSFの雰囲気を、ここまで出せたゲームは、おそらく本作が初めてではないでしょうか。
ハードSF映画が好きな人には、是非とも手にとって見て欲しいタイトルです。
その一方で、操作性や専門用語が分かりづらく、このあたりが評価の分かれるポイントかもしれません。
もっともそれらは味として楽しめますし、そもそも宇宙が好きな人(詳しい人)には、逆にたまらない要素になっていると思います。
本作は世界的な賞も取っていて、評価の高い作品ではありますが、マイナーなインディーゲーで終わってしまっている感があります。
もうちょっと多くの人に広まって欲しいゲームだと思っています。
■ 終わりに
以上、「「Observation」感想レビュー。面白い?つまらない?ゲームを遊んだ正直な感想(ネタバレなし)」でした。
楽しいゲームに出会うための参考としていただければ幸いです。
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