「コーヒートーク」感想レビュー。面白い?つまらない?ゲームを遊んだ正直な感想(ネタバレなし)

「コーヒートーク(Coffee Talk)」をプレイしました(PS4版)。

2時間ほど遊びましたので、感想を書いておきたいと思います(おそらく最後まで遊んでも感想は変わらないので、早めに書いています)。

できるだけネタバレなしで書いています。

買おうかどうしようか迷っている方の参考になれば幸いです。

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■ まずCoffeeTalkとは?

『コーヒートーク』トレーラー | Toge Productions 開発 / コーラス・ワールドワイド 発売

カフェにやってくる人々を、バリスタ(店主)目線で飲み物を作りながら、会話を楽しむゲームです。

バリスタと客との会話というよりも、客同士の会話を楽しんだり、客が一方的に話す内容を、相槌を打ちながら聞いていくといったゲームです。

イメージとしてはノベルゲームが近いと思います。

■ かなり大人の雰囲気

本作は非常に大人な雰囲気のゲームです。

深夜のカフェという場もそうですが、落ち着きのあるバリスタの喋り方に、心地よいBGM、様々な種族の人間模様があります。

会話を通じてその人を深く知る内容となっています。

世界観は人間以外にも、エルフやドワーフ、吸血鬼に人狼といった様々なファンタジー世界の住人がいる設定となっていますが、ファンタジーゲームのような軽々しいノリはなく、いわゆる大人の夜の街のような、しっとりとした雰囲気があります。

サァーっと降り続く雨の夜を、建物の中から温かい飲み物を飲みながら眺めている。

そんな感じの空気が流れているゲームです。

■ キャラが立っていて台詞が良い

良質なノベルゲームの条件の一つに、わたしは「キャラクター一人ひとりが別の方向を向いている」を挙げます。

本作にはそれがあります。

登場人物の個性というものは、そもそも喋り方では表現できません。ましてや語尾といった短絡的なものでは全く表現に事足りません。

個性や人格には、その人の考え方や信念が底に根付きます。

例えばこうです。

結婚式の挙式の帰り。出席者たちが顔を合わせ少しばかりの会話をします。

「いい結婚式だったねー」
「ああ、そうだね。幸せそうだった」
「そうかな?俺はあの二人は別れると思ったけど」
「(睨みつける奥さん)」

1つ目のセリフを発した人は女性であると感じませんか?
結婚に対して肯定的なイメージを持っており、悪く言えば単純な思考の持ち主、良く言えば人の幸せを願う人。

2つ目のセリフを発した人物は、男性だと思いませんでしょうか?
1人目の彼氏か、あるいは父親か。最初のセリフを発した女性に合わせているようにも感じますし、本当にそう思っているようにも感じます。余裕のある男性にも見えますし、既に幸せな家庭を築いているようにも見えます。その一方で、結婚生活に対し何らかの葛藤を心の奥底に抱えているようにも感じませんか?

こういった、人が抱える何か、体験した過去、その人の考えやその人自身を形作る何か、がコーヒートークでは描かれていると感じます。

ゲーム内では、「こうした方がいいんじゃないか?」というアドバイス一つにしても、「なるほど、そうだね!」と一瞬で懐柔する人はいません。

必ず「そうかな?」とか「違うんだよ!」といった、
ワンクッション置いた心の葛藤が描かれます。

その上で、アドバイスをした人に同意・追従をするか、それとも離反するかが描かれています。

これは個人的には、文章主体のゲームに置いて非常に重要な要素だと思っています。それが本作にはあります。

わたしは小説をそれほど読む人間ではありません。
そのため、膨大な数の本を読んできた人に、本作が勧められるかは分かりません。しかしながら、ほどよくゲームや映画、本に触れてきた人には、間違いなく本作はオススメできるものだと思います。

■ バリスタとラテアート

このゲームは、文章を読むだけではありません。

ゲーム的な要素に、様々な飲み物を作る「バリスタ」の仕組みと、飲み物に絵を描く「ラテアート」のシステムがあります。

バリスタは3種類の具材を組み合わせることができます。

例えばコーヒー・コーヒー・コーヒーでエスプレッソが完成します。抹茶・ミルク・ミルクで抹茶ラテが完成します。
全てのレシピは最初の時点では解禁されておらず、自分で試行錯誤しながら作っていく楽しみがあります。

ゲームの登場人物は、明確な飲み物を要求しません。
「苦いものが飲みたいな」とか(これは分かりやすい要望)、「落ち着くもの」とか「今の気分にぴったりなもの」といった非常に抽象的なオーダーをしてきます。

これらを、登場人物の置かれた立場や心情を考えながら作っていく過程は非常に楽しいです。

飲み物にミルクを入れると、ラテアートが作成できます。
ラテアートはその名の通り、現実と同じミルクによってカップ内に描かれる絵のことです。

これが難しいのです(笑)。あまりも難しさに、できあがるラテアートの未熟さに、ゲラゲラ笑いながらプレイしていました。

■ 1回のプレイ時間

本作は、「1夜」ごとに物語が進み区切られます。
1夜に訪れる数人のお客さんを相手に会話を楽しみ、そして次の夜に移るといった仕組みです。

1夜は15~20分ほどで終わります。そのため、1時間ほどプレイすると、だいたい4話ほどの話が楽しめるようになっています。

長すぎず短すぎずでいい塩梅だと思います。

長時間プレイしても引き込まれるゲーム内容ですが、1日30分程度の短時間プレイでも満足できると思います。

■ 本作がオススメな人・プレイ環境

コーヒートークは大人向けのゲームです。

ある程度人生を謳歌した、研鑽した、あるいは摩耗した・消耗したでもいいです。そういった人に刺さるゲームだと思います(謳歌したは言い過ぎかな)。

一方で、一つの価値観しか見えない人・若輩者にはオススメできません(すいません、煽りっぽいですね)。自覚があればまだいいのですが、こういった方は5年~10年待ってからプレイすると、味わいが変わると思います。

何らかの葛藤、悲しみや苦しみを味わったことのある方には、ゲームをより深く楽しめると思います。

おっと、ゲーム自体はそんなに重くないですよ。
すいません、変なレビューになってしまいました。

この文章を書いているのは、わたしという一人の人間です。
そしてこれを読んでいるあなたも、一人の人間です。
お互いに歩んできた人生があります。
この意味が分かる方には特にオススメなゲームです。

ゲームのプレイ環境としては、夜がオススメです。

まわりが寝静まった夜、外は車が走る音のみ。あるいは時折聞こえる人の声に、虫たちの奏でる音色。

こういった環境で、温かい飲み物を用意して、あるいはお酒を用意してのプレイがオススメです。

夜遊べない方には、昼間カーテンを締め切って、誰にも邪魔されない環境で遊ぶのがオススメです。

一人でのプレイがおすすめですが、複数人で遊ぶ場合は、恋人など非常に心の通った人と遊ぶのがオススメです。

一日の疲れを癒やしてくれるような、リラックスさせてくれるゲームだと思います。

PVから感じ取れる雰囲気そのままのゲーム性です。
PVから何かを感じた方には強くオススメします。

個人的には近年まれに見る傑作だと感じています。
多くの人に。PVを見て気になった方にこそ遊んでほしいゲームです。
心がコーヒーで満たされるような(稚拙な表現ですね。苦いじゃん!)、そんな心の充足感を得られると思います。

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■ 終わりに

以上、「「コーヒートーク」感想レビュー。面白い?つまらない?ゲームを遊んだ正直な感想(ネタバレなし)」でした。
楽しいゲームに出会うための参考としていただければ幸いです。

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